不安は身を守る大切な機能ですが、強すぎる不安は日々の営みを妨げかねません。私たちは、過去の心的トラウマや過剰な不安を乗り越えることをサポートするために、恐怖記憶を緩和するニューロフィードバック技術や、バーチャルリアリティー、モーショントラッキングを駆使したトラウマ記憶を緩和する手法などの開発に取り組んでいます。
私たちの脳は、どのように「不安」を生み出すのか?「不安」を効果的に和らげる方法を知るためには、不安を生み出す脳のメカニズムの理解が欠かせません。そのため、私たちは、高い時空間解像度を実現する3T-fMRI、7T-fMRIや脳波などの脳イメージング技術を駆使したメカニズムの研究に取り組んでいます。ヒト本来の脳のふるまいに迫れるように、より自然な実験素材や手法を開発しています。
不安の強さと矛先は十人十色です。強い不安感や自閉傾向を持つ個人は、偏見を持たれがちですが、そうした個性のばらつきが、時代の変化や逆境に強い集団の形成に貢献している可能性があります。私たちは、マイノリティーと考えられがちな個性が集団にもたらすメリットを、基礎研究・インターン制度・アート展示などを通して問い直し、データにサポートされたニューロダイバーシティーの推進に貢献することを目指しています。