データ駆動型のニューロダイバーシティ推進
概要
不安の強さと矛先は十人十色です。強い不安感や一見すると方向性の偏った不安傾向を持つ個人は、偏見を持たれがちですが、そうした個性のばらつきが、時代の変化や逆境に強い集団の形成に貢献している可能性があります。私たちは、マイノリティーと考えられがちな個性が集団にもたらすメリットを、基礎研究・インターン制度・アート展示などを通して問い直し、エビデンスにサポートされたニューロダイバーシティーの推進に貢献することを目指しています。
プロジェクト例
自閉スペクトラム症と診断された方の採用活動支援
自閉症(自閉スペクトラム症)と診断された方の採用活動を、ソニーグループの特例子会社(ソニー希望・光*)とともに取り組みました。自閉症の方の中には、言葉によるコミュニケーションが難しい方もいるため、さまざまなコミュニケーション手段を用いて、自分のスキルや能力をアピールできるような模擬課題を製作し、その課題への取り組み方によって適性を評価する仕組みを導入することで、実際の採用に至りました。一方で、多様な人材を確保することは、一般的な採用活動よりも熱量の高い労務が必要なこともわかりました。このような新しい採用活動を社会実装するためには、集団の中に「いろいろな人がいるメリット」を浸透させていく必要があるため、集団の中に存在する異なる個性が社会全体にどのような利益をもたらすかについても研究しています。
*ソニー希望・光(プロジェクトパートナー)
https://www.sonykibou-hikari.co.jp/
関連業績(抜粋)
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Kusztor, A., Alemany-González, M., Tsuchiya, N., Koizumi, A. (2022). Stage 1 Registered Report: Do psychological diversities contribute to preventing the coronavirus spread? Testing a neurodiversity hypothesis amidst the COVID-19 pandemic. F1000Research, 11 (432), 432.